| ビームライン | BL16XU | BL16B2 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| エネルギー範囲 | 4.5~72 keV | 4.5~113 keV | |||
| エネルギー分解能 (ΔE/E) |
~ 10-4 | ~ 10-4 | |||
| 光子数 | ビームサイズ | ~1012 photons/s | 1 mm × 1 mm 以下 | ~1010 photons/s | ~0.1mm(V) × 0.1 mm(H) ミラー使用時 |
| ~1010 photons/s | 0.5 μm × 0.5 μm 以下 マイクロビーム形成時 |
~5 mm(V) × 50 mm(H) ミラー不使用時 |
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また、共通設備としてその場計測用ガス取扱設備および大気非暴露設備(グローブボックス)を保有します。
サンビームのHAXPES装置は、産業利用で必要となる様々な機能を備えています。 例えば、産業分野でニーズの高い電池材料の分析に対しては、搬送ベッセルによる大気非暴露導入を可能とし、電極の測定でしばしば問題となるチャージアップへの対策として、 電子とイオンを併用した高性能帯電中和システムやアッテネータ、X線シャッターを設置することにより、幅広い試料で精度の良い測定が可能となっています。
また、半導体材料などで必要となる微小領域の分析に対しては、25μ mの集光X線による斜入射配置および全反射測定による高感度分析や、全反射/非全反射を利用した深さ方向の分析が可能となっています。 5端子の電圧印加用試料ホルダーとスロットにより、4端子法を用いた高精度な電圧印加測定にも対応可能です
さらに、製品開発における材料探索や性能確認では、多くの試料の分析が必要となるが、長さ 58mmと大型の試料ホルダーによる自動測定が可能である。 超高真空の測定チャンバーに併設された予備排気室も排気能力を高めることで、大型試料の導入と短時間の予備排気を同時に実現しています。
このようにサンビームのHAXPES装置はこれまでに制御・検出系の更新などを進め、高スループットで使い易い装置として各社の研究開発に活用されています。
BL16XUのマイクロビーム形成実験装置は、実験ハッチ最上流のピンホールを仮想光源とし、 KB配置の楕円筒面反射鏡により集光するシステムとなっています。 ビームは輸送部のベンドシリンドリカルミラーで縦横集光を行い、仮想ピンホールで点光源を作成します。更にKBミラーによって縦横それぞれ集光を行うことでマイクロビームを実現しています。 10keVにおける最小ビームサイズは0.2μm×0.23μmとなっており、XZピエゾステージに設置したサンプルを走査することでマッピングを行います。
検出器はAmptekの軽元素対応SDD、CdTe検出器、PILATUS100K、透過配置のICなどが利用可能となっており、LabVIEWを用いて作成したプログラムにより各機器を連動した連続測定を可能としています。 これによりマイクロX-ray fluorescence(μ-XRF)、マイクロX-ray diffraction(μ-XRD)といった測定が同時に利用可能です。
またFZPによる集光光学系も利用可能となっています。
BL16B2においてはXAFS測定用の検出器としてイオンチャンバー、ライトル検出器、転換電子収量検出器、および25素子Ge半導体検出器を備えています。 25素子Ge半導体検出器は蛍光収量法XAFSにおいて非常に有用な検出器であり、サンビームにおいても微量元素や薄膜試料、あるいは表面敏感計測のために広く活用されています。
実験架台に関しては、自由な実験配置を実現するためにエアパッド浮上式ステージを採用した大型定盤を設置しており、その上にθ/2θゴニオメータを備えた試料ステージが設置されています。
サンビームでは電池材料や触媒材料など広範囲の視野での評価が重要なサンプルにも対応できるように、10cm角程度の大面積の反応分布を短時間で観察する2次元XAFS測定ソフトを独自に開発しています。
また、BL16B2ではMOSTAB搭載の単色器により、高速走査X線吸収測定(クイックスキャンXAFS)も可能となっています。近年は透過法XAFSとエネルギー走査X線回折を組み合わせオペランド解析などの利用も行われています。
BL16B2では最大で5mm(H)×50mm(W)の大きな面積の単色X線を得ることができる。 そのX線を利用してイメージング実験を行うことが可能です。 Xsight Micron LC、ORCA-Flash 2.8、Zyla 5.5、フラットパネル検出器といった2次元検出器を保有しており、 これらのX線カメラおよび高精度の回転ステージを用いてマイクロX線CT計測やラミノグラフィ計測が可能です。 Step scanおよびOn-the-flyいずれの計測も可能なソフトウェアを備えており、これらを用いることで数μmの空間分解能を得ることができます。
一方で、大きな計測対象の観察のために非対称結晶を用いて20mm(H)×50mm(W)の入射X線を実現する非対称結晶を保有しています。このサイズのX線に対してはZyla 5.5を用いて20mm角以上の観察が可能であり、大面積のマイクロX線CT計測が可能です。 また非対称結晶及び対称結晶を用いた屈折コントラスト型位相イメージングも可能です。
BL16B2で得られる5mm(H)×50mm(W)の入射X線を用いてφ2インチの単結晶基板のX線トポグラフィ計測が可能です。大型実験架台上のθ/2θゴニオを利用し、フラットパネル検出器をその入射角制御の調整に用いることで極めて効率的な調整が可能となっています。 またSi等の完全結晶の評価のための高精度タンジェンシャルバー式の一連ゴニオおよび二連ゴニオも備えています。
産業利用で重要なその場解析を実現するためには雰囲気制御が一つの重要な環境です。 ガス雰囲気を試料に供給しながら計測を可能にするため、その場計測用ガス装置が備えられています。 供給/排気弁を切り替えることによりBL16XU、BL16B2どちらでも使用が可能です。
大気に晒されると変質してしまう試料を大気非暴露で計測するための試料準備が可能です。
BL16XUの8軸回折計は2024年度に理化学研究所に移管され、共用ビームラインの回折計と同じ仕様で測定ができるよう整備が進められています。 8軸回折計に合わせて、PILATUS100K、PILATUS300K-CdTe、XRD計測用試料加熱炉(AntonPaar社製)、スパイラルスリット等が使用可能となっています。
(2025年2月13日更新)